医療費控除とセルフメディケーション税制
こんにちは。ようこそお越しくださいました。
東京都千代田区内神田の税理士・堀 義広のブログです。
身近な税に関する記事や、情報のご紹介をしてまいります。
28年度改正で創設された“セルフメディケーション税制”。同制度は医療費控除の“特例”で,医療費控除といずれか一方しか適用できません。どちらを選ぶかで税額に有利不利が生じることがあったり,申告期限が過ぎた後に適用する制度を変更することはできませんので,各制度の対象となる費用を正確に集計しておくことが大切です。
医療費控除は,「(医療費の合計額?保険金等の補填額)?10万円」を所得金額から控除できます。対象となる“医療費”には,医師の診察代や医薬品の購入費等が該当します。セルフメディケーション税制は,薬局等で販売されている特定一般用医薬品(いわゆるスイッチOTC医薬品)の購入費が対象となります。保険金等の補填額を除き,1万2,000円を超える部分の金額(8万8,000円が限度)を所得金額から控除できます。申告者自身がその年に健康診断や予防接種など健康保持の取組をしている必要があります。
要件を満たしていれば,どちらの制度を適用するかは自由に選択できますが,例えば,セルフメディケーション税制を適用して申告したが,その後に医師の診察代等の領収書が大量に見つかり,医療費控除の方が有利になることがわかった・・・といった場合、申告期限内であれば申告し直すことで適用する制度の変更が可能です。しかし,申告期限を過ぎてしまうと,変更はできません。更正の請求は,「税法の規定に従っていなかった場合や計算誤りがあった場合」などにできるもので,適用する制度の選択を誤っても,それを理由にはできないからです。
なお,自身の分だけでなく生計一親族や配偶者にかかった医療費やスイッチOTC医薬品の購入費も対象となりますが,夫は家族の分も含めた医療費に医療費控除を適用し,共働きの妻は家族の分も含めたスイッチOTC医薬品の購入費にセルフメディケーション税制を適用するといった選択もできます。
(出典:2018年税務研究会『週間税務通信NO.3494号』 P78)
?
※当ブログの内容は、税制の概要などの情報発信を目的としています。簡便性や分かりやすさを重視し、細かな適用要件などを省いている場合もあります。実際に申告等される際には、税理士または納税地の税務署にお問い合わせください。
Copyright (C) 2016 税理士・公認会計士 堀義広事務所 All Rights Reserved.